運動やトレーニングの後に誰もが経験する「筋肉痛」。みなさんは「そのうち治るから我慢すればいい」と思っていませんか?
実は、間違った対処をすると筋肉痛が長引き、パフォーマンスの低下につながることも。
本コラムでは、筋肉痛のメカニズムと、痛みがひどく動けないときの適切な対応、さらには筋肉痛の予防方法についてご紹介します。

〇筋肉痛のメカニズム

一般的な筋肉痛は、「遅発性筋肉痛」と呼ばれ、慣れない運動や高強度の運動を行った数時間から数日後に発生します。
これは、運動によって筋線維が微細に損傷したあと、疼痛物質が分泌され、痛みを引き起こすと考えられています。

〇筋肉痛で動けないときの対処法

痛みの原因物質が筋肉に留まり続けると、筋肉痛は長引きます。
早期回復のために、以下の方法が有効であるとの報告があります(Jonathan M. Peakeら)。

・軽い運動をする
ウォーキング(10〜15分)などの低強度運動を行うことで血流を促進し、回復を助けます。

・温める
入浴やホットパックを活用して筋肉を温めると、血流が改善され痛みが和らぎます。

・マッサージを行う
優しくマッサージすることで血流が良くなり、回復を早める効果が期待できます。
逆に、アイシングや完全な安静は血流を滞らせ、回復を遅らせる可能性があるため注意が必要です。

〇筋肉痛を予防する方法

筋肉痛は、筋肉が回復するための自然なプロセスなので、悪いことではありません。
ですが、次の方法を実践することで、強い痛みを防ぐことができます。

・日頃から運動習慣をつける
継続的な運動で筋肉を慣れさせることにより、痛みを軽減できます。

・ウォーミングアップとクールダウンを徹底する
運動前後にストレッチや軽い運動を行い、筋肉への負担を減らしましょう。

また、回復を助ける栄養補給も重要です。良質なタンパク質やビタミン類に加え、
ポリフェノールが筋肉疲労の改善に役立つと報告されています(Myburgh KHら)。

〇まとめ

筋肉痛の仕組みや対処法を知ることで、痛みを抑えながら無理なく運動を続けられます。
適切な予防策やケアを取り入れて、健康的な体づくりを目指しましょう!


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執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 高橋 遼

監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰

池尻大橋せらクリニック 
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